化学センサの実験 ・・・・・ センサ万別(?)、主にガスセンサについて
1. アルコール および メタン・センサ:
アルコール・センサ MQ-3B と メタンガス・センサ MQ-4 (中国製、秋月) を用いて、同時に半定量の測定ができる化学センサを実験した。 仕様書によると、アルコール・センサは かなり低濃度でも敏感に検出し、他の炭化水素等は検出しないのに対し、メタンガス・センサは
鎖状炭化水素(メタン、エタン、プロパン、ブタン等)の他にもアルコールなども検出し、その感度は比較的鈍い。
* この半導体式センサは空気中で用いるもので、表面に吸着された酸素量が
アルコール等の物質が吸着する際に 低下し、電気抵抗 Rs が下がることを利用したもの。(Rs
/ R0 = 1/10 〜 1/50) 他に、燃料電池式(燃焼させて電池反応)、NDIR式(アルコールが特定の波長の赤外線を吸収、呼気など迅速測定)がある。
センサの構造や回路が近いので、二つ並べて 同時測定することにした。 アルコール・センサの方は、吸着にも敏感で
空気のみの時でも なかなか数値が下がらないので、仕様書の負荷抵抗RLを変えて 47k から 24kΩにした。
センサの出力電圧は高いので、アナログアンプは入れずに そのまま PICのADコンバーター入力(C-MOSレベル)に入れて、参照電圧の VREF+と VREF− を調整して、PCのグラフに収まるようにした。 (VREF+(4.10V≒センサの上限)と VREF−(2.30V≒センサの下限) の間を1024分割した数値となる。 1000以上は1000とした。) ヒーター電流は二つ合わせて
0.3A(DC)も流れるので、7V および 5Vレギュレーターには放熱板を付けた。
センサは 常に発熱しながら動作する。
電源は、9V→7V→5V(低ドロップ)と 2段で落とし 安定化させ、ヒーター用、センサ用、PIC用に、細かく分けた。
開始時、センサのヒーターに10分ほど電流を流し、コンタミを飛ばし、スタンバイする。
センサにガスを流す時、アクリル板で作った風洞に入れて用いたが、アクリル板の接着にジクロロメタン(塩化メチレン)を使ったので、この影響が出ないように一週間ほど置いて十分枯らしてから使用した。
ハロゲン系のガスはセンサを劣化させる。
ブタン(C4H10)は、メタン(CH4)よりも分子が長く、チャッカマンからの直接の吹き付けで メタンガス・センサがようやく飽和するほどに、鈍い。アルコールセンサは反応しない。
一方、アルコール・センサは敏感で、メタノール(CH3OH)はごく薄くしても 反応し、メタノールが染みた紙を近づけると すぐに飽和まで達する。メタンガス・センサもある程度反応する。
ただし、アルコールセンサはなかなか元の値に戻らず、回復するまで5−10分くらいかかる。
PICプログラム(PIC18F14k50) lib_adc 、 PCプログラム(VB2010) グラフィック モジュール
PCプログラム: Chemical sensor .exe ファイル ・・・ VB2010で作れなかった場合 ダウンロード
2. においセンサ (硫黄化合物ガス・センサ): ・・・ ヘブル語で、匂いを”ニホヒ”と言う(?)
通称「においセンサ」の TGS2450 は、硫黄を含む化合物のガスに特化したセンサで、他に アンモニアやアルコール類にもある程度反応する。
このセンサは 省電力を目的として、8mSのパルス(パルス周期250mS)の断続によって ヒーターを駆動し、非通電時の中の5mSの間にプルアップ電圧を与えて 出力を採取する仕組みになっている。 ハードは
秋月のArduinoへの使用例を参考にし、ソフトは、PIC18F14k50の一個のみで、その無限ループの中に、USB動作(CDCクラス)と共に、このタイムスケジュールを加えた形にした。
実際のタイミングは、オシロで周期とパルス幅を確認して合わせた。 Precess
IO の動作時間は 約0.2mSで 無視できる。 Vref+ = 4.1V、
Vref− = 2.0V 程度とした。 パソコンソフトは、1.と同じグラフをそのまま使用した。
(タイムスケジュール) @ 227mS置く、 A センサプルアップ
ON 3mS、 B Precess IO に飛んでセンサ電圧取得・USB送信(0.2mS)、 C ループに戻って
2mS置く、 D センサプルアップ OFF、 E ヒーターON 8mS、 F ヒーターOFF
(テスト結果) グラフの出力は、下側に出る。 H2S(硫化水素): 小試験管にごく少量の硫化ナトリウムを入れ 塩酸数滴後、試験管の口を近づける、 C6H10OS2(アリシン): ニンニクのにおい成分(チューブのフタ)、 CS2(二硫化炭素): ビンのフタを近づける、敏感に反応、 CH3OH(メタノール): 紙に付けて近づける、 NH3(アンモニア): 10%溶液のビンのフタ
PICプログラム(PIC18F14k50) lib_adc
3. CO2(炭酸ガス)センサ:
ジルコニア・セラミックを加熱すると 酸素イオンが電流担体となる「酸素濃淡電池」が形成され、電気炉の酸素分圧や自動車のエンジンの燃焼具合をコントロールするセンサ等に用いられている。
同様に、CO2 についても 100℃程度に熱せられたセラミック上で、ガス濃淡電池が形成され、CO2 ガスセンサとして用いられている。 一酸化炭素(CO)はわずかに検出、酸素(O2)は検出しない。
このCO2ガスセンサの MG812 (中国製、秋月)は、ヒーター(5V、90mA)により温められると、CO2の濃度に応じて 起電力を発生し、電池として出力する。 この起電力は 微弱で高インピーダンスなので、C-MOSオペアンプ(NJU7032D等)のバッファに入れて、次段で非反転増幅し、PICでAD変換し、PCに送り
結果を出力した。 非反転・増幅率 = (R1+R2)/R1 (R1:10k、R2:91k) で約10倍に増幅。
ただし、センサ出力電圧は微弱なので、デジタルテスターでは正確に測定できない。また、反転増幅
(増幅率 R2/R1)はインピーダンスが低くNG。
この出力電圧の変動範囲は かなり狭いので、PICの Vref+、Vref−を通常よりもかなり狭めて電圧分割する必要がある。素子によるばらつきも大きいので1素子ごとに調整するしかない。
また、出力電圧が安定するまでヒーターを入れて24時間以上もかかるので、初期運転は十分行う必要がある。
Vref間が狭いので、かなりグラフが細かく上下するため、PICで10回平均として出力した。それでも凸凹する。
PCプログラムは 1.と同じものを用いた。
PICプログラム(PIC18F14k50) lib_adc
4. イオン化式 煙感知器:
放射線源によるによる空気の電離を利用した煙感知器と、専用の ICが手に入ったので、作成してみた。(放射線源にもなるので一石二鳥!) この イオン化式煙感知器 Nap-07(=HIS−07、アメリシウム241(241Am)のアルファ線による空気の電離を利用、 アリエク)は、日本やアメリカなどでは放射能(大した量ではないが)を嫌って使われなくなったが、ヨーロッパでは今も普通に用いられている。 仕組みは、電極間に電離した空気がある時 電流が通り、煙が入って電荷を中和すると 電流が流れなくなることを 利用するもの。 検出部には高インピーダンスのオペアンプが必要で、専用IC (A5368CA、アリエク)が販売されている。
* 他に、光電式スポット型(煙による光の乱反射を受光)、光電式分離型(煙による透過光の遮蔽を検出)などがあり、現在はこちらの方が主流。
ガイガーカウンター(ストロベリーリナックス、LND712:雲母窓でアルファ線測定可能)で感知器の放射能を測定してみた。 プラスチックトップに密着: 89cpm、 トップから2cm: 51cpm、 ボトムから2cm: 40cpm、 B.G.(バックグラウンド): 15cpm 、であり、少しはプラスチックケースから放射線が漏れ出ていることがわかったが、せいぜいB.G.の6倍であり、ごく微量である。
(* ケースのラベルには、 < 29.6kBq(ベクレル)、<0.8u
Ci(キュリー) 241Am とある。 241Amは半減期が432.2年、 アルファ線のエネルギーは 5.4MeV、 ガンマ線のエネルギーは非常に低く
0.06MeV。(蛍光X線分析の線源に用いられる) ベクレルは放射能の単位で、1秒間に崩壊する原子核の数。 線源そのものは結構強力なので、ケースは開けない方が良い。
廃棄は燃えるゴミに出してはならない。 ・・・・ 庭の片隅にでも埋めておこう。半減期432年!)
Nap-07 単体について、デジタルテスターで グリッド電圧を測ると、次第に電圧が上昇し 400mVになると 放電して0mVに落ちて、この充放電を繰り返す。 このように 動作が複雑なので、PICマイコンでコントロールするのは止めて、専用の IC (A5368CA、中国製、アリエク)を用いることにした。 回路は公開されている。 とりあえず、オプションの 感度コントロール、ブザー・アウトは使わないで、LED1点灯(赤・高輝度)と リレー駆動(基板にはリレー無し)までとする。 Testボタンは 5秒以上押すと グリッドの電荷が落とされ、LED1(赤)が点灯する。 LED2(緑)は電源が来ていることのパイロットランプで、時々短く点灯する。
結果は、紙の燃えさしの煙や、蚊取り線香等に良く反応する。 煙がセンサの隙間や下から入って、中央のプラズマ溜りまで入らないと
出力しない。
§ 人は神に似せて造られた:
においセンサで二硫化炭素は良く反応しました。 人間には(不純物のせいで多少の悪臭はあるものの、)硫化水素などと比べてほとんど無臭です。
しかし機械は正直で、低分子量の硫黄化合物には、すべてよく反応しました。
イヌの嗅覚は人間の3000倍から1万倍あるといわれ、カルボン酸や硫化水素にも特異的に反応し、人命救助や捜索、麻薬摘発などにその優れた嗅覚能力を発揮します。
たとえばカレーの匂いは 人間はいわゆる「カレー」と認識しますが、イヌは 複数の香り成分の混合物として
完全に区別して認識します。
・・・ うちのカレーは、100種類の香辛料を入れたスペシャルカレーだ!・・・ あんまりいろいろ入れ過ぎて、ついには何の味かわからなくなった
・・・(?)。
しかし人間はいくら鈍感であっても、人間には有って、他の動物には無いものがあります。
それは、大脳の4つの分野で、サルにさえほとんど無く ヒトにのみ存在する部分です。それは、ブロードマンの大脳地図の、次の領域です。
前頭葉の10野(前頭極・額のあたり); 未来についての事柄、予測、計画
11野(眼窩前頭皮質・眼球の上の回り込んだ皮質部); 意思決定の認知処理
側頭葉の38野(側頭極・側頭葉の先端部); 言葉の意味記憶、顔の見分け、他者の心を推察
頭頂葉の40野(縁上回・頂頭葉の後角部); 信仰
これは、その昔、神様が人間を造られたとき、それぞれ、
「永遠」についての概念の理解、未来の啓示 =「預言」、「時間を超越」する理解
「意志」の分野を神様にゆだねる =「異言」、「聖霊のバプテスマ」
「ことばの神」、「コミュニケーション」、「愛とあわれみ」
「神の信仰」を持つ、「礼拝」
の機能を与えられ、神様とのコミュニケーションを豊かに持つことができる、「霊的な生き物」として創造されたことのあかしです。
→ (5) 人の大脳の特異性: 生物における主の主権
「その後、神である主は、土地のちりで人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで、人は、生きものとなった。」(創世記2:7)